【KDH206】DPFに関連するエンジン警告灯が点灯

DPFに関連するエンジン警告灯

最近のディーゼル車にはDPFという名称の部品がマフラーに設置されています。

DPF(Diesel Particulate Filter)は、ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質(PM)を捕集し、大気中に排出しないようにする装置です。

ディーゼルエンジンが稼働中は常に燃焼が繰り返されています。

その燃焼で発生したすす (PM)を外気に排出しないためのフィルターの役割をしています。

DPFは以下の3つの呼び方があります。

  • DPFマフラー:ディーゼル微粒子捕集フィルターです。排気ガスがフィルターを通り抜ける際に粒子物質(PM)が捕集されます。
  • DPRマフラー:フィルターで粒子物質を捕まえるのはもちろんですが、この作業を繰り返すとフィルターが目詰まりを起こしてしまいます。目詰まりを起こすと機能が低下するため、内部で燃焼し再生してくれる機能を付与しています。
  • DPDマフラー:排気ガスに含まれるPM(粒子物質)を浄化してくれる装置です。一定以上のPMが蓄積すると自動的に燃焼(再生)作業を行います。

DPFは、ディーゼルエンジンから排出される有害物質、例えばすすなどをフィルターで捕集し、運転中に燃焼を行って大気中に排出しないようにする重要な装置です。

しかし、DPFが故障するとエンジンや燃費など車に様々な悪影響を及ぼします。

DPFの再生(Regeneration)とは、捕集したPMを除去することを指します。大別して連続再生、強制再生があり、前者は酸化方式、酸化触媒方式などによって、フィルター部のPMを比較的低温で連続的に酸化除去する。後者はなんらかの手段でフィルター部の温度を高め、PMを燃焼させることで再生を行う必要がある。

以上がDPFの基本的な解説です。ディーゼル車の環境対策として非常に重要な役割を果たしています。

故障コード

P2463の故障コードが確認されました。

PMが詰まっている状態を指します。

データーモニターも確認してみます。

PM蓄積比が222%になっています。

DPFの差圧も詰まりを示していました。

しっかりとすすが詰まっている状態ですね。

こちらのハイエースは2型で、手動で強制燃焼も行えますがOBDに故障コードが残っている状態では実施できません。

しかし詰まっている状況では故障コードは入力され続ける為、バッテリーキャンセルにて強制的に消去しました。

作業内容

実際の作業内容ですが、DPFを交換するとリビルト品でもかなりの高額になります。

洗浄業者に外注した場合も決して安くはありません。

ですが出来ることからやってみる価値はあります。

まずは燃料添加剤を入れ、手動でDPFの再生を行いました。

次にDPFに洗浄剤を注入します。

DPFのホースを外して洗浄剤を注入します。

洗浄剤を十分に注入しきってから再度、DPFの再生を強制的に実施します。

ちなみに、洗浄剤はマフラーが冷えている状態で注入し、40分のアイドリングで暖気してからのDPFの再生作業という手順です。

DPFの再生中はエンジン回転が上昇しマフラーは非常に高温になります。

燃えるものが近くにある場合は実施できません。

白煙を吐き出しながら洗浄剤を燃焼してますが、約20分ほど再生作業を実施しています。

作業結果

作業の結果としてはPM蓄積比も0%となり、差圧も正常になりました。

各燃料噴射ノズルの補正値も基準値通りになっていることも確認済みです。

今回はメンテナンスの範囲で状態が回復しましたが、部品交換になるとかなり高額な修理となります。

定期的なDPFの再生作業をおすすめします。