ポイント点火

ポイント点火の調整

レシプロエンジンに燃焼を促す方式は現代ではダイレクトイグニッションを用いた点火が一般的ですが、マイコンが普及する前はこのような点火ではなく、ポイント式(接点)を用いたものが一般的でした。

ポイントが開いた際に発生する一次信号は現在はカムポジションセンサーが担っていますが、旧車の場合は機械的に制御しています。

高回転域では点火信号も進角させ、点火遅れが無いようになっていますが、これも機械式はエンジン負圧を用いたり遠心式を用いたりと、あくまで機械仕掛けになっています。

センサー類とは違う診断能力や整備能力が問われるため、未経験だと非常に戸惑います。

そもそも年代によってはディストリビューターやプラグコードも知らない場合もありますが、当然のことだと思います。

昭和45年のフェローバギーのポイントです。

2ストのエンジンで、エンジンは始動せず。キャブに直接混合油を飛ばしても初爆もなく、プラグを確認してもスパークが飛ばない状況でした。

ポイントの調整を確認すると汚れの目立つ状態ので、清掃を行いつつ調整していきます。

ギャップ調整

先にギャップの調整を行いました。

プラスネジを二か所緩め、赤い四角い枠の部分でマイナスドライバーを用いて調整します。

ポイントのギャップは狭くても広すぎてもダメで、はがき一枚分の厚みほどをイメージしてギャップ調整を行いました。

ポイントが最も開いたときがはがき一枚分のギャップになっています。

ギャップが決まったらネジを締め込み完了です。

念のため、クランキングしてチェックしています。

点火タイミングの調整

点火のタイミングを調整する前に、クランクの位置を確認します。

このプーリーの合わせ位置がピストン上死点なのか点火始めなのか不明のため、プラグを外してピストンに当たるように長いドライバーを入れてCW方向(時計回り:clock wise)にクランキングしたところ、突っ込んだドライバーが上昇してきました。

このプーリーの合わせ位置はピストン上死点ではなく、点火始め、ポイントの開き始めなのがわかりました。

この位置でポイントが開き始めるように調整します。

開き始めの調整はデスビ本体を回転させて、カムの山に合わせて調整します。

12mmのソケットでデスビ本体の固定ボルトを緩め、カム山に合わせて調整します。

先ほどクランクのプーリーで点火始めの位置に合わせているので、デスビ本体を僅かに回してポイントが開き始める位置まで調整して、固定する流れですね。

またポイント開閉時にスパークが発生しポイントの接点が荒れているケースも多いです。

細かい番手のペーパーで面の磨きも同時に行いました。

この状態でセルを回すと綺麗に接点が開いた時にパチパチとスパークしているのが確認できます。

組み上げした所、エンジンも無事に始動でき、アイドリングも安定していました。

吹け上がりも現時点では良好なようです。

この後に本来はタイミングライトを使用して適正な状態か確認すれば、よりベストではありますが、現状ではさらに点検しなければダメなので今回は一旦保留しています。

ブレーキに動力伝達系、電装回り、見る箇所は非常に多いですね。